4月22日はアースデイでした。2009年の国連総会で採択され、地球について考え、環境問題に目を向けようと宣言された日です。この日は、世界中で様々な団体や企業がイベントを開催し、日本でも各地で催し物が行われました。
アースデイの起源となったのは、1969年にアメリカで起こった原油流出事故でした。これをきっかけに、アメリカの上院議員で環境活動家のゲイロード・ネルソンが1970年の4月22日に討議集会を開き、全米各地で開催された運動には当時のアメリカ人口の10%にあたる2000万人もの人々が参加したと言われます。
現在は、国際団体である「Earthday.org」が主導して活動が行われています。毎年、アースデイのテーマを掲げており、2024年は「Planet v Plastics(地球 vs プラスチック)」のもと、「プラスチックによる惨劇を終わらせ、地球上のすべての生き物の健康を守るために、今すぐ行動するよう呼びかけるものである」としています。Earthday.orgがプラスチックに注目したのは、毎年3億8,000万トンものプラスチックが生産されている一方で、そのうちリサイクルされたのはわずか9%であるという事実にスポットライトを当てたためです。そして、2040年までにプラスチックを60%削減することを目標に掲げています。同団体は、個人でできるアクションとして、「プラスチックフリーの1日を過ごす」「ファストファッションを断る」「気候変動やプラスチックの現状を学ぶ」「キャンドルを灯そう」といった活動を呼びかけています。
フランスでは、今年3月、安価で大量に販売されるファストファッションについて、罰則を設ける法案が下院で可決されました。ファストファッションは、短期間で着回されてすぐに廃棄されやすいうえに、生産現場では、低賃金かつ劣悪な環境で人々を働かせているケースが多く、社会的にも問題視されているためです。フランスは、2022年1月には売れ残った衣料品の廃棄を禁止する法令も施行しており、寄付やリサイクルを義務付けています。
日本のアパレルメーカーでも、近年、製品の環境配慮を積極的に打ち出す傾向が見られ、環境配慮型素材の使用や、製造工程における環境負荷低減への取り組みなどが行われています。ある企業は、2030年に一定基準を満たす環境配慮商品の割合を50%、また商品廃棄率を0.1%にすることを目標に掲げているほか、2030年までに全商品のうち半分以上をサステナブルな原料・加工へと切り替え、衣料品在庫焼却処分ゼロに取り組む企業もあります。また、そのような製品のタグに、独自のエコマークをつけるなどして、消費者にもアピールしています。
2022年のアースデイのテーマは、「Invest In Our Planet(私たちの惑星に投資を)」でした。私たちは、環境配慮型の商品を選んで購入することや、またそうした取り組みを行っている企業に投資することを通して、アースデイの運動に参画することができると言えます。
株式会社グッドバンカー
リサーチチーム