2026年のバレンタインチョコレートの1粒あたりの平均価格は、前年から4.3%上昇して436円となり、2年連続で過去最高値を更新しました(帝国データバンク調べ)。
チョコレートの原料となるカカオについては、世界銀行のデータによると、2025年1月には1キログラムあたり10.75ドルと史上最高値を記録し、前年同月比で2.5倍、2年前同月比で約4倍まで高騰しました。その後、国際価格は下落を始めましたが、カカオ以外の材料費や包装資材、輸送費の値上がりにより、チョコレートの価格が引き上げられています。
カカオを巡っては、森林破壊や児童労働、生産者の低所得、そしてガーナでは高騰している金の違法採掘者になるカカオ農家の増加など、多くの問題を抱えています。チョコレートを扱う企業では、これらの問題を解決するための支援を行いながら栽培・収穫・取引された「サステナブルカカオ」への取り組みが行われています。
一方で、カカオ生産におけるCO2排出量は、全食品の中で5番目に多いという試算があります。また、地球温暖化の影響により、2050年には栽培の適地が激減する「カカオ豆2050年問題」を唱える研究者もいるそうです。
そのような環境から、最近ではカカオの代わりに砕いたコーヒーやエンドウ豆、ヒマワリの種、日本のゴボウなど、代替カカオを使用したチョコレートが出てきています。この、カカオに頼らずチョコレートのような味わいを生み出す「オルタナティブカカオ」が、各国で注目されています。
イギリスのあるスタートアップ企業が、ソラマメを原料としたチョコレートの製造に成功しました。ソラマメは、カカオ製のチョコレートに比べて生産費もCO2排出量も90%削減でき、森林伐採の必要はなく、土壌の健康にも良いそうです。また、砂糖の使用量を40%抑えられるうえ、タンパク質や繊維質、抗酸化物質といった栄養素も摂取できます。
振り替えれば、人類は様々なものを代替してきた歴史があり、現在もそれは続いています。例えば、食肉も大豆ミートが出回るようになり、大きな環境問題になっているプラスチックもバイオ素材への代替が進んでいます。また、地政学リスクの高いコバルトやレアアースなどの資源は、それらを使用しない製品開発が進められています。 まさに、これらの「オルタナティブ(代替)」への取り組みはイノベーションと言えます。そして、これらのイノベーションに投資することは、地球環境や人権などにもプラスのインパクトを生み出すESG投資と言えるでしょう。「オルタナティブ投資」ならぬ「オルタナティブへの投資」にも、着目してみてはいかがでしょうか。
株式会社グッドバンカー
リサーチチーム
