「X」が導く持続可能性

「DX」、「SX」、「GX」……昨今、様々な「X」があふれています。「X」は、「Transformation(変化・変革)」の「Trans」を省略したものです。
「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」は、デジタル技術を活用して、ビジネスや会社の仕組みを根本から変革することです。事業運営の効率化とビジネスモデルの変革をもたらすものであり、2018年に経済産業省が「DX推進ガイドライン」を発表したことで普及し、「DX元年」とされています。「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」は、企業および社会のサステナビリティの両立をめざす考え方で、2020年に経済産業省の検討会の場で提唱されました。「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」は、二酸化炭素の削減をめざし、化石エネルギーからクリーンエネルギー中心の産業・社会構造に転換することです。日本は、2023年に「GX推進法」と「GX脱炭素電源法」を策定し、「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」(GX推進戦略)を閣議決定しました。さらに、中長期の見通しとして「GX推進戦略」を改訂した「GX2040ビジョン」を策定し、エネルギーの安定供給・経済成長・排出削減の同時実現をめざしています。
社会環境が目まぐるしく変動する中で、企業にもその変化に対応するための変革――「X」が求められていることが伺えます。
企業の人材戦略において、「HRX」という言葉を目にすることがあります。「Human Resources Transformation」、つまり人材トランスフォーメーションです。変化の時代に求められるのは、その変化に適応し、新たな価値を創造できる人材です。その育成のために、社員に自己変革を求め、組織改革をめざす企業が使用している造語で、その内容は企業それぞれです。2022年には、「日本企業における人事変革の推進」を奨励することを目的とし、人事領域における斬新な取り組みを広く社会に発信し、認知を広めるための表彰制度が創設されました。ある企業は、DX人材と言われる、デジタル技術を活用できる人材を育成することで、ビジネスと組織変革をめざします。また、組織の結束力を高めて組織開発と従業員エンゲージメントに取り組む企業もあれば、異業種で業界を超えて知見を共有することにより、人的資源の質の向上に努める企業もあります。
2025年は、アメリカによる相互関税の発動や長引く各地の紛争により、不安定な世界情勢が継続。日本では「2025年問題」と言われる超高齢社会を迎えたほか、新政権が誕生し、社会も経済も大きく変わろうとしています。
2026年は、60年に一度巡ってくる「丙午」。情熱や変化を象徴する年とされています。ますます激しく変化する社会の中で、企業が持続的に成長していくためには、やはり企業がその変化にしなやかに適応できるトランスフォーメーションの基盤を持ち合わせていることが必須です。新たな年に向けて、投資においても各社の「X」に注目していきます。

株式会社グッドバンカー
リサーチチーム

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