2025年11月、ブラジルのベレンで開催された「第30回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP30)」は、アメリカ不在の中、産油国との利害が対立し、地球温暖化をもたらす化石燃料には直接言及しない合意という形で終了しました。
各国に気候変動対策を義務づけた2015年の「パリ協定」から10年の節目でしたが、産業革命前からの世界の平均気温の上昇を1.5度に抑えるという目標は、すでに達成が厳しい状況にあります。
それでも、地球の持続可能性のためには、気候変動対策に取り組み続けるしかなく、日本がめざす「2050年カーボンニュートラル」の達成に向けて、2026年も企業のESG活動はますます重要となります。
2025年5月、2026年度から一定規模以上の二酸化炭素を排出する事業者を対象に、排出量取引制度(GX-ETS)への参加を義務化することを定めた「改正GX推進法」が成立しました。
GX-ETSは、企業・政府・学術界・金融が連携し、脱炭素化を図りながら経済成長を両立させる官民共創の枠組み(GXリーグ)において日本政府が導入した制度で、企業はGX(グリーントランスフォーメーション)を通じて競争力を高め、新たな市場やビジネスモデルの創出をめざすものです。
事実上、これまで無料で排出できていたCO2に価格を付ける(カーボンプライシング)ことで、企業に対して排出量を削減するための経済的なインセンティブが与えられることになります。
また、2026年は「コーポレート・ガバナンスコード(企業統治指針)」が5年ぶりに改訂されます。2021年の改訂では、サステナビリティを巡る課題への取り組みに初めて言及し、新たな指針では、上場企業が現預金を投資に活用できているかなどを検証してもらい、株主への説明を求めるもので、人材や成長分野への投資を促す狙いです。
2023年には、有価証券報告書等において「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄が新設されましたが、2027年3月期から、東証プライム市場上場企業に対し、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が策定したサステナビリティ開示基準が順次適用されます。
これらに対応していくのが、まさに各社のESG経営です。ESG経営は、ますます激しく変化する社会環境の中で、その変化にしなやかに適応し、競争力を発揮するための基盤です。2026年も当社は、引き続き企業のESGへの取り組みを、投資における重要なファクターとして注目していきます。
株式会社グッドバンカー
リサーチチーム
