「服の墓場」、砂漠の中心でサステナブルファッションを叫ぶ

6月、デンマークを拠点とする非営利団体が主催する、ファッション業界に特化したサステナビリティ会議「グローバル・ファッション・サミット」が開催されました。2009年に始まり、ファッション業界の持続可能性を加速するための政策提言、報告書作成、国際連携などを行っています。

今年のテーマは「障壁と架け橋(Barriers and Bridges)」。地政学リスクや、EUにおける「企業持続可能性デューデリジェンス指令(CSDDD)」の一部凍結などの規制の後退、またトランプ政権の新たな関税政策による経済的不安など、サステナビリティへの逆風が吹く中、それらをいかに乗り越えるのか、政策立案者、企業経営者、NGO、投資家などが議論を交わしました。

チリには、世界中から大量の古着や売れ残りの衣料品が持ち込まれています。国内市場に出回るものもありますが、それでも消費されないものは、最終的にアタカマ砂漠に不法投棄されています。その衣類の山は、何と衛星写真でも確認できるほどの規模になっており、「服の墓場」とも呼ばれています。

そして、多くの衣料がポリエステルなどの合成繊維で構成されており、生分解されることがなく、環境にも悪影響を与えています。さらには、衣料の焼却等により現地の人々に健康被害も及ぼしており、環境問題だけでなく人権問題とも言うべき事態となっています。

2024年4月、そのアタカマ砂漠に捨てられていた廃棄衣類を回収して制作した衣装によるファッションショーが開催されました。2025年3月には、現地で見つかったブランド衣類をクリーニングしてオンライン上で無料販売するなど、「服の墓場」から衣料品の製造から廃棄までの責任を問いかけました。

今年2月、EU理事会と欧州議会は、繊維製品に拡大生産者責任を導入する改正案の暫定合意に達しました。実施されれば、繊維生産者やアパレルブランドは、消費者が廃棄した後の回収・リサイクルの費用負担を求められることになります。

日本の繊維企業やアパレル企業も、この数年で環境配慮への取り組みを加速させています。多くの企業が、環境負荷に関する情報開示を拡充し、製品への環境配慮型素材の使用率に関する目標を掲げ、衣料廃棄=ファッションロスの削減に取り組んでいます。

衣類を購入するとき、投資をするとき、安さだけではなくサステナビリティにも着目することによって、私たちも消費者として、投資家として、この問題の解決に参画することができるのです。

株式会社グッドバンカー
リサーチチーム

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