レポート– Report –
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日本の電力システム改革に見る、環境と経済の未来
欧米に15~20年遅れて、2020年4月、日本でも電力業界の「発送電分離」が実施されました。発電・小売事業から、社会インフラとしての送配電事業を切り離して、前者の自由化・市場化を進めています。これまでの電力供給は、地域独占の電力会社が、発電から小... -
「先進国間での景気と金融政策の方向感の違いから示唆されること ―日銀は脱炭素政策を間接的に支援するに留まる」
先進国における経済成長率と中央銀行による金融政策からみた今年後半の投資環境の特徴は以下のとおりである。 主要国の景気モーメンタムは跛行状態にある。 米国の第2四半期(4~6月期)のGDP成長率は前期比年率+6.5%となり、第1四半期(+6... -
今、子ども達が学ぶSDGs
「負ふた子に教えられ」とか「後生おそるべし」などという言葉があるように、子どもや若者は社会にとって新しい視点や発想をもたらしてくれるものです。SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで採択された、国連加盟193か国が2016年から2... -
『E・S・G』における企業統治の重要性が一層高まる
上場企業における企業統治のあるべき規範として、金融庁と東京証券取引所が規定している「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」が、今年の6月に3年ぶりに改訂された。東京証券取引所では、現行の4市場を2022年4月から「プライム市場... -
脱炭素に向けて、今、日本の大学生にできること
ESG投資の背景にあるSRI(社会的責任投資)が、もともと宗教的信念による投資であったものが、広範な市民運動に発展したことには、大学の基金や大学教職員年金が大きな役割を果たしました。1960年代にベトナム戦争に反対して、軍需産業への投資を忌避する... -
テレワーク時代の瞑想
2020年、日本は東京オリンピック・パラリンピックの開催により、ICTサービスの拡充や交通混雑緩和のためのテレワークが進むと見られていました。しかし、これらを推し進めたのは、五輪大会ではなく新型コロナウイルスの感染拡大によってでした。人との接触... -
脱プラスチックから脱容器へ
昨今の廃プラスチック問題への関心の高まりを受け、企業ではプラスチック製の製品や容器包装の使用量を削減したり、環境負荷の低い原料に変更したりするなど、様々な取り組みを行っています。一方で、このコロナ禍で在宅勤務が増え、家で過ごす時間が増え... -
4~6月期の日本株の投資環境
当面の投資環境を判断するポイントは以下の6つである。 (1) 新型コロナウイルス(特に変異株)感染拡大とワクチン調達・供給の競争 (2) 米国の経済対策・成長戦略の行方と対中国包囲網の展開 (3) 米国の実質金利の推移 (4) ファミリーオ... -
政府をESG格付?
SNS(交流サイト)の普及は、伝統的な株式市場の構造を変えるだけでなく、資本主義というシステムそのものに、新しいダイナミズムをもたらしていると感じられたのが、米SNSのレディットを舞台にした1月の個別株式の乱高下でした。SNS上で団結した個人が集... -
エコノミクス甲子園――高校生の金融知力を競う
2021年2月、高校生に楽しみながら金融・経済について学んでもらうためのクイズイベント「エコノミクス甲子園(全国高校生金融経済クイズ選手権)」(認定NPO法人金融知力普及協会主催)が開催されました。今年で15回目を迎えるこの大会は、全国各地で開催...