鳥の目 虫の目 子どもの目

以前ご紹介したグッドバンカー社のアナリストの子供の保育園では、SDGs教育の一環として2021年からコンポスト(生ごみなどの有機物を微生物の働きを使って発酵・分解させ、堆肥を作ること)の取り組みを続けています。お昼ご飯を食べた後、当番の子供が、残った食べ物をバッグ型のコンポスト容器まで運んでいき、中の土とよく混ぜておきます。そうして、約2か月で微生物や虫などが堆肥へと分解します。出来上がった堆肥は、子供たちがふるいを使うなどして虫などを分別してから小袋に分け、自由に持ち帰れるようにしたり、地域の人たちに配ったりしています。

前回のコンポストには、みんなでジュースを飲むのに使ったライ麦ストローとともに、保育士のアイディアでプラスチック製のストローを一緒にコンポストに入れてみたそうです。2か月後、プラスチックストローだけが分解されなかったことを実際に見た子供たちは、なぜ分解されなかったのか?そもそもプラスチックって?という疑問を持ち始めました。保育士は、プラスチックは現代の世の中でいろいろなものに使われている便利なものだけれども、それが地球汚染のひとつにもなっている、という事実を伝えました。しかし、プラスチック=悪者、と考える子供は一人もおらず、プラスチックとどう共存していくかをみんなで考え、3R(Reduce、Reuse、Recycle)だという答えを導いたそうです。いつもやっていたコンビニでのペットボトルリサイクルについて、ペットボトルがどう変わって再び市場に出るのだろう?と、疑問を持つ子もいたそうです。

地球環境問題をここまで深刻な状況にし、今や子どもたちの未来を危うくしている大人たちより、子ども達は無意識のうちに自分たちのサステナビリティへの危機感を持っているのかもしれません。物事の本質をつかむためには、鳥の目のように高く、遠く、距離を持って見ることと、虫の目で小さな現実を細やかに観察することが求められると言われます。今はさらに「子どもの目」が必要な時代かもしれません。

中世のカトリックの修道院では、議論が膠着して前へ進めない時、最も若い修道僧の意見を採用したそうです。ESGにおいても特にS(ソーシャル)の評価で「あちら立てればこちら立たず」というトレードオフの関係をどう評価するか悩ましい問題です。当社でもそのような場合は若いアナリスト達の意見を大事にしています。

株式会社グッドバンカー
リサーチチーム

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