ミャンマー事情

ゴミは「間違った場所に置かれた資源」と言う言い方があります。ミャンマーでの体験で、そのことを実感しました。

1998年、首都ヤンゴンから飛行機、船、車を乗り継ぎはるばるたどり着いた先は、日本のような稲作文化、竹造りの家並み、はだしの子供たち、村々には電気も水道もなく、日本では捨てていたすべてのものが、貴重品でした。

新聞紙、チラシ類、ポリ袋といったものが捨てられていることは皆無で、残り物は貧しい人に分けられ、残飯は犬のごちそうになるという具合でした。 その地を去ることになり、捨てたはずの私信のカード類ですら庭掃除の女の子に拾われてしまいました。

日本に戻って、あふれる物への罪悪感につきまとわれるこの頃、ある企業を訪問したところ、社内にゴミ箱がありませんでした。「うちではゴミはありません。すべて資源です。」との言葉になぜかホッとしたのです。

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