株式会社グッドバンカー
ワールドサステナブルレポート

エコ・ア・ラ・フランセーズ

2005年1号

料理のソースなどでフランス風というのを、ア・ラ・フランセーズというのは、よく聞かれることでしょう。パリに住み、生活の仕方、あるいはもののデザインの些細なところで、いかにもフランスらしい、そしてそれがエコロジーに繋がっていると感じることがあります。ゴミの分別もまだまだのパリですが、何か本質的なところでエコロジーと、感心させられたことをいくつかご紹介しましょう。

たとえばスーパーで売っているピクルスやマスタードなど、ガラス瓶のかわりに洒落たデザインの、ワイングラスやコップが使われているものがあります。だから食べ終わった後は、そのまま、食卓で使うことができるのです。たまたま、きれいな空き瓶や缶が何かに使える、というようなレベルのデザインセンスではありません。初めからグラスとしてのデザインの質の素晴らしさが追求されています。「素晴らしいグラスにピクルスを入れている」という感覚なのです。それでいて、何の変哲もない普通の瓶に入っているピクルスより、それほど高価というわけではありません。ですからいずれは、ワイングラス、あるいはジュースグラスのセットが揃ってしまいます。そして、初めからきちんとしたワイングラスだったかのように、食卓に収まるのです。こういったものを作るフランス人に脱帽と思います。「捨てたくないものを作る」これって立派なエコロジーの思想ではないでしょうか。そこまで意識して作られた商品シリーズではないのかもしれませんが、とても感心したことの1つです。

また、郵便局で売っている小包用のダンボール箱が、1枚の紙をただ順番通りに折っていくことで丈夫な箱になる、この面とこの面を合わせて、とかいう難しさが一切無く、セロテープも要らないことにも驚きました。フランスの前に住んでいた、ドイツの郵便局の小包用ダンボールと比べると、その差は歴然としていました。

あれこれ考えなくても簡単にできるということは、実は人の手間というエネルギーを削減しています。テープも要らないというのは、資源を浪費しないということです。それから、釘を1本も使わず、細木を組み合わせた長方形を、ただ広げるだけで、食器の水切りカゴになるというのもあります。数学に強いと言われるフランス人ならではの、幾何的なデザイン感覚が、エコロジーに繋がっている、ということではないでしょうか。これからも日常の色々な場面で、エコ・ア・ラ・フランセーズを見つけるのが楽しみです。