株式会社グッドバンカー
ワールドエコレポート

シドニーオリンピック その2 ~「環境にやさしい」とは?~

February 2000

今回は、今年のシドニーオリンピックが環境にやさしい大会となるための具体的な取り組みをご紹介します。シドニーオリンピック運営委員会の資料をみると、その徹底ぶりには驚かされます。数ある中でも特にユニークと思われるものをあげてみましょう。

  • 開催地の選定

開催予定地のホームブッシュ湾岸は、有害物質による汚染でもう使い物にならないとされていた土地です。「あえてこの土地を選び、持続可能なかたちの再生に成功することは、人間によって汚染された地域の再生運動への励みになるはずだ」とシドニーの人々は考えたのです。このことだけでも、彼らの並々ならぬ意気込みが感じられます。

  • リサイクル

開催地の選定も大きな意味ではリサイクルですが、特に水のリサイクルには力を入れています。トイレや花壇には再処理した下水または雨水を使います。また、節約のために、オリンピック施設まわりの花壇には、旱魃に強いオーストラリア原産の木を植えて水遣りの回数を減らしています。もっと身近なゴミについては、再生可能なもの・堆肥にして再利用するもの・再利用できずに埋立て処分するものの3つに分別し、わかりやすく色分けされたゴミ箱に集めます。使用済み調理油の再生利用にいたるまで、きっちりと具体的な対処法が決められています。面白いのは、スタッフ用カフェテリアから出るゴミ処理を、運営本部内に作った「ミミズ農場」のミミズにお願いする(!)という手法です。また、ゴミを出さない事がゴミ減量につながるという観点から、会場内の食器には生ゴミと共に堆肥に再生できる材料を使い、スナックの包装も必要最低限にすることになっています。これはゴミというアウトプットを減らすための「インプットコントロール」と呼ばれます。そのほか、アトランタオリンピックでプレスリリース用に1,400万枚の紙が使われたことを教訓に、シドニーではオリンピック競技結果情報サービス(The Olympic Results Information Service、 略称ORIS)が、コンピューターネットワークを通じてメディア向けに情報を配信します。人気のオフィシャル・グッズは、使用する材料やその製造過程において環境に害が無い上、リサイクル可能で再生処理の際有害物質が出ないこと、布製品はできるだけ天然素材を用いることなど厳しく規制されています。

  • グリーンハウス・チャレンジ(地球温暖化現象への挑戦)

オリンピック史上初の試みとして、運営委員会は地球温暖化の側面からオリンピックがどう環境に影響し、今回の取り組みがどう成果を上げたのかを調査・報告します。また、実際に温室効果ガスの排出量を減らすために、選手・観客・スタッフの移動には大気汚染度の少ない圧縮天然ガスを燃料とするバスやフェリーなどの公的交通機関を使用。施設内は、移動距離が短くて済むように設計されています.そして観覧券には競技会場へ行くための交通機関の1日フリーパスが付いています。

取り組みはたくさんあり、すべてをご紹介できないのが残念です。それにしても、ここまで筋の通った環境対策と実行力には感服します。大会後、どんな成果が報告されるでしょうか。