株式会社グッドバンカー
ワールドエコレポート

スイスのさる名家のお宅に

March 2000

スイスのさる名家のお宅に、内輪のお食事に呼ばれた時です。ワイングラスの高さが、少しずつ微妙に違うことに、気がつきました。なかには、明らかに5ミリぐらいの高さの違いがあります。不思議に思ってじっと見ていると、当主が笑って種明かしをしてくれました。これは、縁のかけたワイングラスを、またカットし直して修理して使っているからなのです。 

ガラス職人さんで、ごく少数ですがこのような修理もやってくれる人達がおり、代々の名家だけを顧客に持っているそうです。このような話を聞くと、単にモノを大切にするというより、"良いモノ"を大切にするという思想が感じられます。

職人さんにしても、腕のふるいがいのある"良いモノ"であるからこそ、手間がかかってもやりたいものだし、お金がかかってもいいから修理して使いたいほどのものというのは、やはりあるレベル以上の質の高さが求められるからです。何でもかんでも捨てないでとっておくということ、やたらにモノを持つということからは、出て来ない発想のように思われます。

環境問題の観点からいうと、循環型社会というのは、要するに廃棄物を出さないということだと思うのです。ゴミになるようなもの、あるいはすぐに手放したくなるような、安っぽいモノは作らないという思想は、循環型社会の文脈につながるように思えました。