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ウィーンの質屋さんJuly 2000
ハプスブルグ王朝の栄華のなごりをとどめるウィーンは、街全体がまるでアンティークショップのようです。行きかう人も、何かお年寄りがめだち、人も物も年月にみがかれてにじみ出た美しさを評価するそんなおもむきがあります。生粋のウィーン子で、元裁判官の友人の一家もアンティークが大好きで、ひいおばあさんからゆずられた家具、代々伝わるレースのカーテン、100年前の本のコレクション、古い切手などを家宝のように扱っていました。 それはまた、過去の歴史をも大事にすることにつながるのか、15~6世紀の頃のウィーンについて昨日のことのように情熱をこめて語るその語り口は、古い道具の由来について語るのによく似ています。ものを買う時でも何でも新しいものにとびつくのではなく「オークションハウス」に行くのだと連れていかれたのは、まるで美術館のような壮麗な石づくりの建物です。 実はここは国営の質屋さんで、オークションというのは"質流れ品"のことだったのです。1階から5階まで、家具や銀食器などなど、美しくみがかれて、まるで美術品のように展示されています。日本の"質流れ品"というちょっと暗いイメージとは大違いです。最低入札価格がつけられており、自分のほしいものがオークションにかけられる時に参加してせりおとします。オークションにかけられずに、値段がつけられて直接販売されているコーナーもあります。ウィーン子の審美眼は厳しく、「これはダメ。デザインにスタイルがない」などと注釈がつきます。これってもしかしたら「国営のリサイクルショップ?」と思うと、質屋さんというのは"環境にやさしい産業"としてこれから脚光をあびるのではないでしょうか。 |
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