株式会社グッドバンカー
ワールドエコレポート

クリーンアップ・オーストラリア・デイ

March 2001

オーストラリアといえば、誰もがまず青く美しい海を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、実情は我々の予想とはちょっと違うようです。

NPOのクリーンアップ・オーストラリア(www.cleanup.com.au)が提唱する、毎年恒例の「クリーンアップ・オーストラリア・デイ」という日があります。この行事は、1日かけて全国で清掃作業をすることで、国民、特に若い世代に環境汚染の深刻さを説くと同時に、個人レベルでもどれだけその改善や状況の打開に貢献できるかを実践的に証明するものです。この日のエピソードを、地元のサン・ヘラルド紙からひろってみました。

ダイビング教室教官のケリーは、世界三大美港のひとつ、シドニーのバルモーラル海水浴場で清掃活動の陣頭指揮を取りました。一見、きれいなシドニーの海も、潜ってみればまわり中ビニール袋やビール瓶などのゴミだらけです。ここでは70人ものダイバー達がゴミの引き上げにあたります。さらに何千人ものボランティアが陸上からダイバー達を援護し、シドニーだけで650ヵ所、ニューサウスウェールズ州全体では1,100ヶ所で一大清掃行事が行なわれるのです。シドニー湾の状況は10年前よりは改善したそうですが、完全浄化への道のりは遠いとのこと。23歳のケリーは、平気でゴミを捨てたり排水溝に流したりする人が多いことにショックを受けています。

1989年からこの活動を提唱・主導する前述NPO創始者のイアン・キアナン氏によれば、1999年に集められたゴミは500種類以上、その殆どがプラスチックでした。彼は「みんなに今一度立ち止まって、ゴミによる汚染が我々の環境にどういう悪影響を与えるかを考え直して欲しい」と述べています。

私達日本人から見れば自然の宝庫であるオーストラリアにも、ヒトによる環境汚染の波は着実に押し寄せています。そしてこの背景には、「自然の宝庫」の中で暮らしているからこそ、その深刻さに今一歩敏感になれないオーストラリア若年層の存在があるとのことです。日本の若者達はどうでしょうか?年々大きくなっているオーストラリアのクリーン・アップ運動のゆくえが注目されます。