株式会社グッドバンカー
ワールドエコレポート

日本の環境自治体

June 2001

環境にやさしい○○○が、モノだけでなく、とうとう地方公共団体の政策やサービスにまで及んできました。あるシンクタンクの環境自治体ランキングで、第1位になった「三重県」を紹介しましょう。

事務事業評価システムの導入や情報公開等で独自の地方行政を進める三重県は、環境対策でも先進的な取り組みを展開しています。なかでも、地方環境税推進の先陣を切る「産業廃棄物税」の創設が注目をあびています。これは、県内で産廃を処理する企業に1トン当たり1,000円を課税し、税収をリサイクル技術の開発に取り組む企業への補助金や産廃の不法投棄防止のための監視費用などに充てるもので、導入すると都道府県では初めてのこととなります。6月中旬に県議会に条例案を提出する方向で最終調整中ですが、条例が成立し総務省の同意も得られれば2002年度から導入する予定で、税収は年間4億円前後(三重県県試算)だそうです。こうした経済的手法を採用する背景には、三重県が名古屋と大阪にはさまれた日本一の廃棄物輸入県という事情があり、廃棄物の発生抑制と環境推進の財源確保を兼ねたこの試みは、深刻さを増す廃棄物問題に取り組む地方自治体のお手本となるかもしれません。

また、「ISO14001認証取得率日本一」を目指す三重県は、県と市町村が連携し、認証取得費用の半額を県が補助しています。2001年度末に県内市町村の1/3以上、02年度末にはほぼ全市町村が認証を取得する見込みです。さらに3億円の予算で毎年1億円程度を県民の自主的な環境保全活動支援にあてる「21世紀環境創造活動基金」の創設や、東南アジア諸国等への技術移転を実施するための「ICETT(国際環境技術移転研究センター)」の設置などバラエティに富んでいます。そして、実際の環境政策の中身を見ると、「地球温暖化防止計画」「廃棄物総合対策」等で、50項目近い具体的な数値目標が設定されていること、その進捗状況をはじめとする環境情報公開度の高さ、といった点が特徴的です。

そのほかに、三重県は自らの事業活動の中での環境負荷を低減する取り組みにも積極的です。「県庁があらゆる場面で率先実行する姿を見せ、そのプロセス、システムをオープンにすることで、県民、県内事業者に環境対策への理解を深めてもらい、対策を進めてもらいたい。」と北川知事は言っています。実施した取り組みはユニークかつ大胆です。例えば、県庁内の2,000個のゴミ箱をゼロにしてしまったこと。その効果は8割のごみ削減となりました。県内最大の事業体として、グリーン購入を積極化し、グリーン購入大賞を受賞しています。県庁内は28℃で冷房を設定するため、7月3日から9月30日まではノーネクタイ、ノー背広です。また、県庁がISO14001の認証を取得したことによる省エネ等の削減効果は、3年で10億円にも及ぶそうです。この数字を見てしまうと、納税者としては自分の住む地域自治体の環境対策を意識せざるをえませんね。

北川知事は、自治体トップとして環境への責任を次のように話しています。「これからは経済の流れの中に環境問題を内在する、経済循環のなかに環境対策を入れていくことが国の至上命題である。社会全体のシステムが変わったことを認識すべきで、その方向に持っていかなければCOP6で地球温暖化について世界の指導者の話し合いがつかなかったという未熟さを、我々は一体誰に対して責任を持つのか。私たち世代が将来の世代にどう責任を果たすかという強い使命を自治体として発揮すべきだという時代認識を、私は持っている。」知事が環境に対する明確な哲学を持っていることが、三重県を日本でトップランクの環境先進自治体にしたのではないでしょうか。