![]() |
||
エコロジカルフットプリントJanuary 2003
新年はドイツのライン河のほとりで過ごしました。1月2日から3日にかけてドイツ南部を中心に各地に洪水被害が出て、ライン河とモーゼル河の川沿いの道はすべて通行止めになりました。滞在していた高台のホテルから浸水した川沿いの家を見るのはとてもつらいものがありました。 「もうこれは気候変動などではなく、気候崩壊(カタストロフィー)ではないか」とは、旧知のドイツ人の言葉です。 このような気候変動がもたらす自然災害の多発やその気候変動の原因に、主に先進諸国の資源消費型経済のあり方が関わっていることは、もはや疑いのないことでしょう。気候変動による自然災害の発生を抑えるためにも、私達のライフスタイルの変革が急務と言えます。 Redefining Progress(進歩を再定義する)という米国のNGO(Non-Governmental Organization、非政府組織)が、世界中の国々についてどれぐらい天然資源を持ち、また、どの程度消費しているのかというレポートを発表しました。 当レポートの中で、各国の天然資源の蓄積・消費の状態を表すために使用された指標は、「エコロジカルフットプリント(生態系への足跡)」と呼ばれます。これは、調査対象とした国の人々が必要とする資源の生産・廃棄に必要な土地、エネルギー、食糧などを土地面積で表したものです。つまり、人々のライフスタイルが自然界に与える影響(足跡)を表しているのです。 具体的には世界146カ国について調査し、一人あたりのエコロジカルフットプリントと、その国々に実際に存在する天然資源や再生産能力を土地面積で表したエコロジカル容量について、会計のように比較し、その国の人々のライフスタイルが、持続可能なものかどうかを検証しています。 例えば、エコロジカル容量が5.3しかない国で、エコロジカルフットプリントが9.7の生活水準であれば、その国は-4.4のエコロジカル赤字にあるということになります(この例はアメリカ合衆国)。日本のエコロジカルフットプリントは米国の半分以下の4.8ですが、エコロジカル容量が0.7のため、米国とほぼ同じ-4.1の赤字にあるとされています。一方、環境先進国といわれるスウェーデンではエコロジカルフットプリントは日本より若干多い6.7ですが、エコロジカル容量が7.3であるため+0.6の黒字になっています。 その他、先進国でエコロジカル黒字にあるのは、オーストラリア(+7.0)やニュージーランド(+14.3)、カナダ(+5.4)で、いずれも豊かな自然のある国です。このエコロジカルフットプリントの概念は、日本のように国土が狭く、天然資源に恵まれない国にとっては不利になる傾向があります。また「土地ごとの生産能力(例えば、農業における二毛作の有無など)を考慮していない」といった批判もあります。 しかし、全人類ほぼ全体をカバーする146カ国のエコロジカルフットプリント収支を調べることで、「人類全体が、果たしてこのままのライフスタイルで持続可能であるのかどうか」がおおよそ分かります。当レポートによると、その答えは「No」です。全人類のエコロジカルフットプリントは、1970年代後半から地球のエコロジカル容量を上回り始め、現在では20%上回っております。つまり人類がこのままの状態で生き延びるには、地球が1.2個必要なほどの赤字にあるということです。 いずれにせよこうした試算は、「全人類が先進国のようなライフスタイルをもった場合、地球がひとつでは足りないことは間違いない」ということを示しています。先進国の人々は更にエコロジカルフットプリントの少ないライフスタイルを送るべきではないでしょうか。 |
||
|
Copyright 2008 The Good Bankers Co.,Ltd.All Rights Reserved.ホームページ制作会社:SoundBoard. |
||