株式会社グッドバンカー
ワールドエコレポート

アメリカのカーシェアリング

April 2003

前回のワールドエコレポートでは、ミュンヘンのカーシェアリングについてご紹介しましたが、車を「所有」するのではなく「共有」しようという動きはヨーロッパだけでなく、クルマ社会のアメリカなど北米地域にも拡がりつつあります。そこで、今回はアメリカでのカーシェアリングについてお伝えします。

アメリカでのカーシェアリングは、1999年にシアトルのMobility Incという会社がキング郡とシアトル市の援助を得て開始した「Flexcar」が最初だと言われています。同社のシステムも基本的に前回ご紹介したものと同じで、Flexcarの会員は、都市部の様々なところに設置された専用駐車場に置いてある自動車を利用し、使用する時間単位ごとに料金を支払う仕組みになっています。ガソリン代、駐車料、保険料などは会員費に含まれており、会員は自動車が必要なときに電話予約をして使用します。事前予約は1年前から1 分前まで受け付けているとのことです。

都市部では駐車場の料金が非常に高いことや、自分の車を運転している場合は交通渋滞に巻き込まれる時間帯になってしまってもその車に乗って家まで帰らなくてはならないことなど、昨今都市生活者にとって自動車を所有する負担が大きくなっています。こうした中、同社のシステムは人気を集めており、現在 Flexcarは米国の20近くの都市でカーシェアリングシステムを運営し、1万人以上の会員を持っています。

では、このような動きが広がることを自動車会社はどう思っているのでしょうか。実は、このFlexcarには日本の大手自動車会社であるホンダも関わっており、ホンダは2002年の3月にFlexcarに18.4%出資したことを発表しています。また、ダイムラークライスラー社は、Smartという小型車を使用したカーシェアリングの実験をベルリンで開始しています。さらに、米国の大手自動車会社フォードのCEOであるウィリアム・C・フォード氏は、イギリスの新聞で「都市に住むならクルマを持つ必要はない」とまで発言しており、自動車会社自身もカーシェアリングへの関わりを深めていることがわかります。

このようにモノを所有することから、モノは持たずに機能のみを得るということは、来たるべき循環型社会における人間の生活のありかたとして重要なことではないでしょうか。