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ロンドンのロードプライシング (2)November 2003
前回、ロンドンのロードプライシングをご紹介しました。今回はすこし掘り下げて、これによって徴収される渋滞税(Congestion Charging)に対するロンドンでの反応に目を向けてみましょう。 2003年2月に導入された渋滞税に関しては、様々な意見や批判があります。まず、課金システムについてですが、これは対象区域の境界線に設置されたカメラが通行車両のナンバープレートを読み取り、支払いをチェックするシステムになっています。ところが、監視カメラがナンバープレートの数字を読み違えたりする他、ナンバープレートの偽造が起こり、40年以上ロンドンに足を踏み入れたことの無い人へ渋滞税の督促状が届くなどの問題が生じました。プライバシーの問題などからもカメラによるナンバープレート監視ではなく、プリペイドカードによる支払いなどの手段もあったのではないかと言われています。 また、渋滞税の経済的な影響について、デパート大手のジョン・ルイスでは、渋滞税導入後ロンドン店舗での売上が7.3%減少しており、この税の在り方に疑問を投げかけています。渋滞税は通勤者に対して代替手段を選ばせる効果はあったものの、ショッピングや観光などの目的でロンドンを訪れる人を減らす結果になったと主張しています。一方、公共交通機関であるバス会社などは、この渋滞税によって大きな経済的恩恵を受けています。イギリス最大のバス会社であるファーストグループは、ロンドン市内のバス路線増強によりロンドンでの売上が23%増加しており、イギリス主要都市での渋滞税導入を支持しています。現在、渋滞税の導入論議はイギリスの各都市で起こっており、コンピュータ大手IBMが発表した調査によると、イギリス国民は渋滞税の国全体への拡大について全般的には賛成とのことです。ただし、各都市が独自のシステムを導入した場合には混乱が生じ、国民の支持が低下するだろうという警告も同時に行なっています。 システムを管轄しているTransport for London(TfL:ロンドン交通局)は、渋滞税施行後6ヵ月の状況に関するレポートを発表しました。これによると、施行後ロンドン中心部へ乗り入れる乗用車の数が1日あたり約50,000台減少した結果、規制対象区域内における交通の遅延が約30%改善し、区域内の平均移動速度は16.7kmと施行前に比べ約17%向上したそうです。これは1980年代半ばに渋滞の監視を始めて以来、最も低い渋滞度とのことです。また、批判の多い経済的側面についても、渋滞の改善による車の燃費効率向上や、渋滞解消による時間の節約、交通事故の減少によるコスト節約などにより、約5,000万ポンドのプラス効果を生んでいるとしています。 では、渋滞税のもたらす環境や社会への影響はどうなのでしょうか? 渋滞税は環境に配慮した自動車の使用を推奨しており、電気や天然ガスを燃料とする車や、ハイブリッド車などは渋滞税を支払う必要がありません。渋滞税の導入に伴なう環境配慮型車両の増加やその影響などについては、2004年春頃に発表されるレポートで詳しく述べられるとのことです。政策効果の評価は、経済面だけでなく、環境、社会のすべての面から行なってこそ真価がはっきりするものと考えられ、2004年に公表予定のレポート内容が注目されるところです。 |
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