株式会社グッドバンカー
ワールドエコレポート

オーガニック預金

May 2004

「オーガニックを育てて、オーガニックを食べ、そしてオーガニックで預金する」

これは、英国のトリオドス銀行のオーガニック預金口座の謳い文句です。1980年にオランダで設立され、1995年に英国支店を開設して以来トリオドス銀行は、再生可能エネルギーやフェアトレード、ヘルスケアや有機農業、社会的企業や途上国向けのマイクロファイナンス事業などへの融資を通して急成長し、ヨーロッパのいわゆる“倫理的銀行”のリーダー格となっています。このオーガニック預金口座に集められた資金は、すべて有機農業関連の事業に融資されるということです。

有機農業関連の事業では、有機食品の栽培農家、加工業者、販売業者そして小売店と、作物が畑から食卓にのぼるまでの全てのプロセスで、膨大な需要量に見合うために投資を必要としています。また、有機農法生産への転換、有機加工食品の拡販、地域での流通システムづくり、小売店の数を増やし販売網の充実を図ること、研究開発費など、資金需要はたくさんあります。パンフレットでは「貯蓄によって、有機食品の開発と栽培へ投資しましょう」とあり、その収益は「あなたの健康です」と謳っています。また同銀行は、英国産有機食品の販売拡大をめざす財団である英国土壌協会と提携しており、毎年このオーガニック預金口座の 100ポンドにつき25ペンスが協会に寄付される仕組みとなっています。つまり預金することによって、自動的に協会の活動を支援することができるのです。

オーガニック預金口座のコンセプトは単純明快です。普通の預金と同じように、元本が保全され、金利も他行並です。一方、オーガニック事業の事業主は、当座預金から長短期のローンまで、フルバンキングのサービスが受けられます。パンフレットには、融資先であるオーガニックファームや酪農家の様子が紹介され、「サリーとヘンリーのオーガニックミルク」や「スーとスティーブの有機野菜と果物」といった説明と共に、生産者の笑顔の写真が掲載されています。

オーガニック預金では、自分の預けたお金がどのように使われ、誰をサポートしているのか、そしてどのように社会に貢献しているのかが一目瞭然です。これこそ本来の銀行業の姿ではないでしょうか?