株式会社グッドバンカー
ワールドエコレポート

国破れて山河あり?

August 2004

日本の森林面積は国土の約70%と、世界有数の森林国です。しかし、その約40%が人工林であることはあまり知られていないのではないでしょうか。戦後間もない頃、「国破れて山河あり」との思いからか、荒廃した国土の緑化と将来の森林資源の確保のために人工林が次々につくられました。2004年度版の「森林・林業白書」によると、育成された人工林は1千万ヘクタール、そのうち伐採利用可能な人工林は約20%に達しているとのことです。

ただし、日本の林業は、安い外材におされ現在不振の極みにあります。2003年度の木材自給率は約18%(ちなみに農産物は約40%)となり、また、1955年頃50万人を上回っていた林業就業者数も最近は6万人台にまで減少しました。しかもその過半数は60歳以上と高齢化しており、間伐など必要な維持管理が不可能な状態だそうです。

人工林一代の育成には、少なくとも2~3回の間伐を繰り返すことが必要となります。したがって毎年30~40万ヘクタールもの造林が続けられた場合は、同じだけの面積の間伐が必要です。ところが、戦後初期の人工林が間伐期を迎えた1970年代以降の間伐実績は、毎年 20万ヘクタール以下だったのです。ですから今後15~20年間は、今までの2~3倍の間伐が必要なのだそうです。山のエキスパートである島﨑洋路氏(島﨑山林塾主宰)が「切って切って切りまくらにゃ日本の山は駄目になる」(「別冊太陽」平凡社 2002年)と、その想いを述べているゆえんです。

森林はCO2(二酸化炭素)を吸収、固定するという重要な役割を担っています。間伐など手入れのゆきとどいた森林が、温暖化の抑制にもつながるのです。そのためにも、国産間伐材利用の促進をはからなければならないと思います。安い外材にたよって自国の山を荒廃させたあげく、「世界中の森をつぶした日本(この7月に実際に筆者がオランダのジャーナリストからなげつけられた言葉)」と言われたのではたまりません。私たち消費者も国産間伐材の利用について、真剣に考えるべきではないでしょうか?

参考資料:「環境と文明」2004年7月号 『日本の山は守れるか』