株式会社グッドバンカー
ワールドエコレポート

ドイツのプラスチック代替天然繊維

October 2004

JETRO(日本貿易振興機構)デュッセルドルフが毎月出している「EU環境関連ニュース」というものがあります。主にドイツを中心にして、環境問題の広汎なトピックスが盛りこまれています。そのレベルの高さから日本の環境問題関係者の間で、「これでは環境コンサルタントの仕事がなくなるのでは?」と、冗談めかして言われているほどで、当社でも愛読しています。最近のトピックスの中で今回ご紹介するのは、ドイツでプラスチックの代替物として、天然繊維の利用が広がっているというニュースです。

天然繊維の利用については、特に自動車工業での利用が進んでおり、自動車メーカーは天然繊維を原材料として、今まで以上に導入しようとしているのだそうです。というのは、これによりCO2(二酸化炭素)削減とリサイクル率向上の矛盾が解消されるからです。CO2問題のクリアのためには、車体の軽量化が必要ですが、そのためにプラスチックを利用するとリサイクル率が悪くなります。逆に高いリサイクル率を達成するためには、金属材料を多く使うことになり、車体が重くなるのですが、天然繊維であれば、軽量化が可能な上、栽培においてCO2が吸収されるということだそうです。また天然繊維はエコロジーの面だけでなく、機械的強度や生産コストについても通常のプラスチックに比べ以下のような利点があると言われています。

  • 10~30%の重量削減が可能
  • 機械特性と音響効果に優れる
  • 金型の摩擦が僅かであるなど加工技術特性に優れる
  • 価格的に有利(石油価格に変動されない)

このような工業用植物として、亜麻繊維、大麻繊維、ジュート繊維、サイザル繊維、ケナフ繊維、椰子繊維等が栽培されています。特に大麻はドイツの気候にあっているとのことですが、ドラッグとして使われないよう、厳しく監督、検査のもとに栽培されています。このような植物由来の原料は、再生可能原料と呼ばれ、すでに2000年度のドイツ化学工業の総原料使用量の約8%を占めているそうです。日本の「トヨタ自動車」もサツマイモを原料にして、自動車部品にも使えるバイオプラスチックを量産するねらいで、インドネシアで農場を経営しています。

私達の身のまわりの思いがけないものが、実はプラスチック代替原料になるのかもしれませんね。これまでは、プラスチックリサイクルの、困難な技術的課題を、どう突破するかにばかり、関心があったのですが、ここらでちょっと発想を変えることが大事かもしれないと、思いました。

参考資料:EU環境関連ニュース(2004年8月25日)

朝日新聞(2004年9月18日号)